【1級管工事施工管理】第二次検定(記述式)の出題ローテーション|過去問18年分で分かった「毎年出る要領図と工程表」

管工事施工管理の第二次検定は、令和6年度に大きく形が変わりました。それでも、問われるテーマは、毎年かなり似ています。この記事は、平成20年度から令和7年度までの18年分の第二次検定(令和2年度までは実地試験)の問題を、1年ずつ確認して、出題のローテーションを整理した記録です。
先に結論を4つ書きます。①令和6年度から、経験記述がなくなり、問題1〜3が必須、問題4・5から1問を選ぶ形になりました。②留意事項の選択問題は、18年すべて「空調系」と「給排水衛生系」から1つずつの2択です。③ネットワーク工程表は、18年のうち17年でクリティカルパスを問うています。④施工要領図では、排水・通気設備とダクトが、18年のうち11年ずつ出ています。
各年の問題PDFは、当サイトの1級管工事施工管理の過去問PDFまとめに掲載しています。確認の方法と限界は、記事の最後に書きました。
1. 令和6年度に、試験の形が変わった
| 年度 | 問題の構成 |
|---|---|
| 平成20年度〜令和5年度 | 必須:施工要領図・○×の問題/選択(2問から1問):機器・配管の留意事項(空調系か給排水衛生系)/選択(2問から1問):ネットワーク工程表か、労働安全衛生法の語句/必須:経験記述(工事の概要と、工程管理・安全管理・現場受入検査・試運転調整のどれか2つ) |
| 令和6年度・令和7年度 | 経験記述がなく、問題1:施工要領図・○×/問題2:ネットワーク工程表/問題3:労働安全衛生法の語句(以上、必須)/問題4・5:設備概要が示された、留意事項の選択(2問から1問) |
大きな変化は2つです。1つ目は、ネットワーク工程表と労働安全衛生法が、選択から必須になったこと。2つ目は、経験記述がなくなったことです。旧形式では、工程表と労働安全衛生法のどちらかを選べましたが、新形式では、どちらも解く必要があります。
2. 施工要領図・○×(問題1):毎年同じ顔ぶれ
図の「適切でない部分」を指摘して、改善策を書く問題です。令和3年度以降は、これに加えて、適当・不適当を○×で答える5問が、5年連続で出ています。●は、その年の問題1に、そのテーマの図や設問が出ていることを示します(H=平成、R=令和)。
| テーマ | H20 | H21 | H22 | H23 | H24 | H25 | H26 | H27 | H28 | H29 | H30 | R1 | R2 | R3 | R4 | R5 | R6 | R7 | 回数 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 排水・通気設備(通気管・器具排水管・トラップ) | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | 11 | |||||||
| ダクト・換気(共板/アングルフランジ・防火区画・排煙・厨房排気) | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | 11 | |||||||
| ポンプ廻り・ポンプの特性曲線(並列運転など) | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | 7 | |||||||||||
| 送風機廻り・送風機の特性曲線 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | 6 | ||||||||||||
| 伸縮管継手・エキスパンションジョイント | ● | ● | ● | ● | ● | ● | 6 | ||||||||||||
| 適当・不適当を○×で答える5問 | ● | ● | ● | ● | ● | 5 | |||||||||||||
| 冷温水コイル・ファンコイル廻りの配管 | ● | ● | ● | ● | 4 | ||||||||||||||
| アンカーボルト・機器の耐震固定 | ● | ● | ● | ● | 4 | ||||||||||||||
| 消火設備(屋内消火栓・加圧送水装置) | ● | ● | ● | 3 | |||||||||||||||
| タンク廻り・電極棒 | ● | ● | ● | 3 | |||||||||||||||
| リバースリターン方式 | ● | ● | 2 | ||||||||||||||||
| 保温 | ● | ● | 2 |
- 排水・通気設備とダクト・換気は、18年のうち11年ずつ出ています。
- ポンプ廻り・送風機廻りは、運転点の調整(特性曲線)の問題として出ることがあります。送風機は、H22・H29・R3に、「A点やB点で運転しているとき、設計点Cで運転するように調整する方法」が出ています。
- 令和7年度の問題1は、○×の5問のほかに、空調用冷温水配管システム図(改善策2か所と、二次側配管方式の特徴)と、排水管接合要領図(継手の名称と接合方法)でした。
3. 留意事項(選択問題):空調系と給排水衛生系の2択
機器や配管の施工上の留意事項を書く問題です。18年すべてで、空調系(ダクト・送風機・冷却塔・冷凍機・冷温水配管など)と、給排水衛生系(タンク・ポンプ・給水給湯管・排水設備など)から、1つずつが出て、そのどちらかを選ぶ形でした。令和6年度からは、設備概要が示され、「4つの留意事項」+「機器の特徴」+「重要な技術的事項(または総合試運転調整)」の形になっています。
| テーマ | H20 | H21 | H22 | H23 | H24 | H25 | H26 | H27 | H28 | H29 | H30 | R1 | R2 | R3 | R4 | R5 | R6 | R7 | 回数 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 受水タンク・高置タンク(据付・配管・試運転) | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | 7 | |||||||||||
| 水中モーターポンプ(汚物用・雑排水用) | ● | ● | ● | ● | ● | 5 | |||||||||||||
| 吸収冷温水機・冷凍機・ヒートポンプ | ● | ● | ● | ● | ● | 5 | |||||||||||||
| 給水・給湯配管(ステンレス鋼管・給湯管) | ● | ● | ● | ● | ● | 5 | |||||||||||||
| 冷却塔 | ● | ● | ● | ● | 4 | ||||||||||||||
| ユニット形空気調和機 | ● | ● | ● | ● | 4 | ||||||||||||||
| 冷温水配管(熱伸縮・勾配・保温) | ● | ● | ● | ● | 4 | ||||||||||||||
| 揚水ポンプ・給水ポンプ | ● | ● | ● | ● | 4 | ||||||||||||||
| 送風機 | ● | ● | ● | 3 | |||||||||||||||
| 冷媒配管(マルチパッケージ形空調機) | ● | ● | 2 | ||||||||||||||||
| ダクト(製作・施工) | ● | ● | 2 |
- 受水タンク・高置タンクは、18年のうち7回で、いちばん多いテーマです(R2・R4・R6・R7と、近年も毎回のように出ています)。
- 留意事項の項目は、多くが「配置(運転・保守管理の観点)」「基礎・アンカーボルト」「配管施工」「試運転調整(個別・単体)」のどれかに当てはまります。
- 令和6年度は「吸収冷温水機+冷却塔」と「FRP製受水タンク+ステンレス鋼管」、令和7年度は「冷却塔・吸収冷温水機・ユニット形空調機・送風機を含む空調設備」と「受水・高置タンク・排水用水中ポンプ・ステンレス鋼管を含む給水衛生設備」でした。
4. ネットワーク工程表:クリティカルパスは17年
| 設問の種類 | H20 | H21 | H22 | H23 | H24 | H25 | H26 | H27 | H28 | H29 | H30 | R1 | R2 | R3 | R4 | R5 | R6 | R7 | 回数 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| クリティカルパス(作業名・経路・所要日数) | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | 17 | |
| 作業の遅れ・日数増による工期の延長(フォローアップ) | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | 13 | |||||
| 工期短縮(どの作業を何日、または短縮ルートの特定) | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | 9 | |||||||||
| イベント・作業の時刻(EST・LFT・LST) | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | 8 | ||||||||||
| 記述(利点・目的・優先順位・遅れを取り戻す方法) | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | 8 | ||||||||||
| 山積み・山崩し | ● | ● | ● | ● | ● | 5 | |||||||||||||
| タイムスケール表示 | ● | ● | ● | ● | 4 | ||||||||||||||
| フロート(トータル・フリー) | ● | ● | ● | 3 |
- クリティカルパスは、令和1年度を除く17年で出ています(令和1年度は、各作業の最早開始時刻・最遅開始時刻を記入する形でした)。
- 「進行状況を確認したら、作業が遅れていた。工期は何日延びるか」の問題(フォローアップ)は、令和2年度から令和7年度まで6年連続です。
- 工期の短縮は、「どの作業を何日短縮するか」を答える形が多く、令和3年度の問題では、クリティカルパス以外に短縮の必要が出るパスの名称も問われています(令和7年度にも、同じ趣旨の設問があります)。
- 山積み・山崩しは、H22〜R1に5回で、令和2年度以降は出ていません。
5. 労働安全衛生法:令和6年度から必須になった
空欄に、法令上の語句・数値を入れる問題です。令和6・7年度は、語句を選択欄から選ぶ形式も含まれています。
| テーマ | H20 | H21 | H22 | H23 | H24 | H25 | H26 | H27 | H28 | H29 | H30 | R1 | R2 | R3 | R4 | R5 | R6 | R7 | 回数 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 総括安全衛生管理者・統括安全衛生責任者・安全管理者の選任 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | 11 | |||||||
| 墜落防止(作業床・手すり・足場・墜落制止用器具) | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | 9 | |||||||||
| 安全委員会・衛生委員会(50人以上・記録の保存) | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | 8 | ||||||||||
| 移動式クレーン・玉掛け | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | 7 | |||||||||||
| 作業主任者の名称(地山掘削・足場・土止め支保工・ガス溶接) | ● | ● | ● | ● | ● | ● | 6 | ||||||||||||
| 石綿(作業主任者・局所排気装置・自主検査) | ● | ● | ● | ● | ● | ● | 6 | ||||||||||||
| ボイラー・ガス容器・溶接 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | 6 | ||||||||||||
| 酸素欠乏(汚水槽・測定・濃度) | ● | ● | ● | ● | ● | 5 | |||||||||||||
| 足場・高所作業車の特別教育・技能講習 | ● | ● | ● | ● | ● | 5 | |||||||||||||
| 熱中症(暑さ指数) | ● | 1 |
- 令和6年度は石綿(局所排気装置の点検・自主検査の保存年数など)、足場の組立ての特別教育、高所作業車の要求性能墜落制止用器具でした。令和7年度は、高所作業の墜落防止(照明・囲い・要求性能墜落制止用器具の点検)と、つり上げ荷重5t以上のクレーンの運転の資格でした。
- 墜落防止は、近年(R3・R4・R6・R7)に出ることが多くなっています。
- 酸素欠乏(R2が最後)、作業主任者の名称(H30が最後)、ボイラー・ガス容器(H30が最後)は、最近は出ていません。
6. 経験記述(令和5年度まで):何を聞かれていたか
令和5年度までは、経験した管工事を1つ選び、工事概要と、2つの事項について記述する形でした。令和6年度から出ていないので、参考として整理します。
| 設問2・設問3の内容 | H20 | H21 | H22 | H23 | H24 | H25 | H26 | H27 | H28 | H29 | H30 | R1 | R2 | R3 | R4 | R5 | R6 | R7 | 回数 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 工程管理上の課題と対策 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | 9 | |||||||||
| 材料・機器の現場受入検査 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | 9 | |||||||||
| 安全管理上の課題と対策 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | 8 | ||||||||||
| 総合試運転調整・完成に伴う自主検査 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | 6 |
H20〜R5の16年で、設問2と設問3は、「工程管理」「安全管理」「現場受入検査」「総合試運転調整・自主検査」の4つから、2つが出ていました。
7. 令和8年度(2026年)をどう見るか(推測です)
ここからは、並びからの推測です。今年の出題を保証するものではありません。
- 形式は、令和6・7年度と同じと考えて準備する(問題1〜3が必須、問題4・5から1問を選択)。形式は、必ず公式の案内で確認してください。
- ネットワーク工程表は、必須です。クリティカルパス、遅れによる工期の延長、短縮の設問を、1セットで書けるようにする。
- 労働安全衛生法も必須です。近年出ている墜落防止・クレーン・石綿に加えて、間が空いているテーマ(酸素欠乏はR2、作業主任者・ボイラー・ガス容器はH30が最後)も、確認しておく。
- 留意事項は、空調系と給排水衛生系のどちらかを選ぶ形です。得意なほうを決めて、配置・基礎・配管・試運転調整の4つの観点で、短い文を用意しておく。
- 施工要領図は、排水・通気設備とダクトから先に押さえる。○×の5問は、5年連続で出ている形式です。
8. 過去問スプリントで、どう使うか
- 必須の3問から、先に手を動かす:ネットワーク工程表、労働安全衛生法の語句、施工要領図(排水・通気、ダクト)。
- 留意事項は、機器ごとではなく、4つの観点(配置・基礎・配管・試運転調整)で覚える:どの機器が出ても、書く型が同じになります。
- 設問の注意書き(「〜に関する事項は除く」「吊り又は支持に関するものを除く」)を読む:除かれた内容を書いても、得点になりません。
- 過去問は、テーマごとに並べて解く:上の表で●の付いた年の設問を、続けて見ると、聞き方の違いが分かります。
各年度の問題は、過去問PDFまとめから開けます。
9. この分析の確認方法と限界
- 対象:平成20年度〜令和7年度の第二次検定(令和2年度までは実地試験)の問題PDF、18年分。
- 確認の方法:平成20年度〜令和2年度は、問題文の文字を読んで確認しました。令和3年度〜令和7年度は、問題の文字と画像で確認しました。
- 限界:見落としが残っている可能性があります。図の中身(細かい部材や数値)は、一部しか見ていません。「近年よく出る」「間が空いている」は、年の並びから見た推測で、確定ではありません。新形式のデータは、令和6・7年度の2年分だけです。
- 出典:問題は、試験実施機関が公表している過去問題です。著作権は各権利者に帰属します。試験の実施方法・出題形式・日程は、必ず全国建設研修センターの公式サイトで確認してください。誤りがあった場合は、公式の資料を優先してください。
この記事を書いた人:セコピ
1級建築施工管理技士を含む6つの資格を保有
1級建築施工管理技士を含む6つの資格を保有する管理人です♪建築施工管理で得た「資格学校の体系的なカリキュラム・出題順序のノウハウ」と、独学で身につけた「過去問スプリント暗記ハック」を融合。双方のいいとこ取りをした『超効率的な合格メソッド』で、受験生の皆様を全力で応援しています!